イッシーの
Henry's Fork
リポート


Oct. 2003

第3日目

3日目 (10月12日)〜LAST CHANCE
3日目の朝が来た。ターゲットはもうあいつを釣り上げること以外、全く考えられなかった。これまでの2日間、ハッチが昼頃に始まってる(4日目は昼前に発たなければいけない)ことを考えれば、文字通り今日がラストチャンス。昨日替えたばかりのリーダーを新しいものに交換した。無駄だと思いつつ、もうどんな後悔もしたくなかった。

10時頃にIPに着いた。ライズは始まってなかった。流下物を調べると、ミッジとケースとごく僅かなBaetis。まだ早い。下流側から十分距離をとって、一時間待った。ライズはきっと始まるはずだ。11時頃、流れのうねりの中に、黒く動く魚体らしきものを発見。最初気のせいかと思ったが、じっと観察し続けると、今度は背びれが見えた! いた。やつだ! Dunはまだ流下してないので、きっとニンフかイマージャーを食べているのだろう。水深が40〜50センチしかないので、捕食すると背びれが見える。まるでジョーズだ。

もう少し待てば更に上がってくるかとも思ったが、待ちきれなかった。あるいはスーパーハッチになる前がチャンスかとも思った。BWO Floating Nymph #22を結んだ。相変わらず風は強いが南西の風。風を計算してポイントよりやや左にキャストするが、風力が微妙にぶれるので、思った通りのポイントにフライを置けず、苦労すること10数投目、indicatorを見失った。合わせてみるとドスン! バシャバシャッ! やった!

ジャンプを繰返しながら上流に走る(アップキャストの利点の一つって、魚が上流に向かって走ることかな?今回どの鱒も上流に走った。彼らが下流に走ったら6Xじゃ止められないよ)。こんどはラインは切れなかった。数分ファイトした時点で自分のラインの強さに信頼が生まれた。腕がしびれそうになりながら、上向きにプレッシャーをかけ続けた。3日も同じところで釣ってると、さすがにどこの藻が厚いか知っていたので、そこにだけは行かせないようにファイトした。


ランディングした時の私の気持ち、わかりますか? 20インチを超えてました。

Indicatorを見失って合わせたわりには、上顎への
完璧なフッキング。そんなもんです。

「おし!やったぞ〜!!!」 しばらく一人でなにやらわめいてました。そして魚を川に返した後、岸に座り込んで、むやみに風景写真を撮り続けました。
あいつじゃなかったけど、もうこれでいいと思った。だけど、まだ12時前。どう考えても釣りをやめても仕方が無い。第一この町、釣り以外にすることがない。しばらく川辺で休憩した後、例の岩を覗くと、やつがいた! 背びれと尾びれを水面の上に出しながら捕食している。川はまたBaetis Dunのカーペットとなっていた。ティペットを交換し、自分の技術でできる限り最高と思えるノットをつくった。Floating Nymph、Emerger、Dun、いろいろ試すがやはりダメ。今回の3日間共通して言えることだけど、ハッチのピーク時は本物に勝てなくて釣れない。アントで別の鱒を3秒間フッキングしたのみ。時半を過ぎるとBaetisのハッチが薄くなってきた。チャンスだと思い、戦略を“わざとはずす”から“match the hatch”に変えた。BWO Winger Emerger #22を結びキャスト。3投目、フライの下流側から、やつの頭が現われ、”コプッ”という音を出して飲み込んだ。ロッドを上げるとドスン! 一気に走り始めた。重い。これまでのどれよりも重い。今度はさっきと違って“やつ”がフライを飲み込んだのも確認できてる。実際力が強い。彼は何度も、何度も上流に向かって走った。
おそらく20回以上。ロッドを高く保ちつづけ、ほんとに腕がしびれた。頭で腕を添え木しながら必死で耐えた。こんなことなら普段もっと体を鍛えとくんだったと真剣に後悔した。こんなときRiverside MotelのDanみたいに腕の太いアメリカ人だったらどんなに楽だろうと思った。何度か斜め下流にも走った。下流には走られたくない。Jonに教えられたとおり、ラインを手繰りよせても足りない時は自分が下がった。

ついにロッドの距離内まで近くに寄ってきた。でかい! ネットが届く範囲まで寄せてからも、不用意にネットを近づけると、また20〜30ヤード上流に走ってしまう。早く終わらせたい。使ってるのは6X。強引に引っ張るのは怖かった。しかし藻にもぐりそうな時はあえて強引に方向を変えさせる。ランディングしようとすると、魚体がネット(縦の内径が18インチ)よりずっと長い。つまり18インチ以上ということ。彼はえらを開きながら体をよじった。もしかしてファールフック? やめてよ。一瞬不安がよぎった。数回目にネットを近づけた時、やつは走らなかった。ネットの上に魚体の3/4がくる。ネットを上げると魚体がはみ出ながらネットに収まる。ついにランディング。 やった! 心の底から叫んだ。でかい。ほんと、でかい。こいつ、いったい何インチあるんだろう? ズシッと重いネットを水に浸けながら、ハアハア言いながら岸まで歩く(ほんと、体弱いね)。ネットで測ると22インチを超えている。雄だ。これまで彼のことをずっと“彼”と呼んでいたのは正しかった。フックは鼻先の硬い部分にしっかりかかっていて、バーブレスなのになかなかとれなかった。

彼を放流したとたんに腹痛と震えが始まった。食事もとらず川の中にい過ぎた。車に帰って暖房を最強にしてクッキーを食べた。40分位すると腹痛・震えが止まったので、川に戻ってみる。ハッチはかなり薄くなっていた。でかますが一匹川の中央で背びれを見せながらクルーズしている。彼が自分の場所に戻ってるのかな?とも思った。口は水面の上に出てこないから、おそらくイマージャーかフローティング・ニンフを食ってるのだろう。一応30分くらいキャストしたけど、明らかに集中力に欠けていた。もういいや、彼を釣ったんだから、という気持ちになっていた。結局でかますを後にしながら5時に納竿。

THで夕食をとってるとReneがいた(毎日来るんだね)。ついに彼を釣り上げたことを言うと、”I thought you would fish”と言ってくれた。うれしかった。22 inchだったと言った時、彼の表情は変わらなかった。きっとこの川ではめずらしくないサイズなんだろうな、と思った。

その後、バーで隣にい合わせたSeabass、ショップのJonとTHで遅くまで飲んだ。サッカーゲームで負けて川に頭を沈められたような気がするが、よく覚えてない。”Do this, and this, and this!”という意味不明のコミュニケーション?と、”Ken is back, he is back, Ken is back, he is back!♪”という歌?だけがかすかに頭に残ってる。

翌朝、二日酔いの頭痛と闘いながら、「Henry’s Forkを目の前にして二日酔いで川に行けなかったら一生の不覚」と自分に言い聞かせながら、何とか9時半頃に川に這いつくばって行くが、やはりハッチは始まっていなかった。「nymphingでもいいからあの引きをもう一度」とも考えたが、今回の釣りをdown gradeしてしまうような気がしてそれもせず、3時7分Idaho Fall発のフライトにのるべく11時50分頃に納竿。


振り返って。。。。

本当に運がよかった。”実力より運”、これに尽きます。だって毎日5時間スーパーハッチしてる中で3日間も釣れば、そりゃ釣れるって。

毎朝起きると快晴無風、しかし遠くに白黒混じった色の雲が見え、10時過ぎた頃から雲って風が出てくる。そして寒い。曇ったり晴れたりで、雲って風が吹くと本当に寒かったが、面白いくらい曇ると同時にBaetisが流れてきて、晴れると流下は止まった。水量は200 cftと低く、down cross castは不可。しかし風は南風の為、キャストは4WTで容易。Up cast onlyだった為、心配していた早合わせの問題はなかった。

後から知ったことだが、実はその10日後、ダムの補修工事によって水量はゼロ(正確には3.5 CFS)、一方、一週間前に釣行した大場さんはライズに恵まれず惨敗。Isshee’s Pointは、まるで自分の為にほんの1週間だけ現れた、夢の島のようなものだった。
Gage height, feet
Most recent value: 1.85 10-29-2003 02:30
Discharge, cubic feet per second
Most recent value: *** 10-29-2003 02:30

前から聞いていたcomplex hatch地獄ではなかった。というか、これほど何を捕食しているか容易に分かる釣りもめずらしかった。次回Henry’s Forkに行く時は、complex hatch地獄で苦しんでみたい。。。。

いっしー
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