イッシーの
Henry's Fork
リポート


Oct. 2003

第1日目

2003年10月9〜13日Henry's Forkに行きました。Henry's Forkは腕に自信が無くこれまで敢えて避けてきたが、fly fishingを始めて5年目、満を持しての初挑戦。

1日目 (10月10日)

ガイドとは9時〜9時半にTrout Hunter(以下TH)のショップで待合せ。朝食を済ませて9時すぎにショップに到着。ショップの人(Jon)に「誰がガイドしてくれるの?」と聞くと、“John Harrington. He is Hollywood guy!”「どうしてそう呼ばれてるの?」「TVなどで有名だからだよ」 John Harrington(以下John)は9時10分位に現れた。天気は曇り。気温は40度台。風も強い。但し南西の風。車の中でJohnに、自分はFF歴5年であること、dry flyが大好きなこと、HFのことは前から知っていたけど、腕に自信が無くてこれまで避けてきたこと、今回ようやく”ready to be skunked”になって来たこと、を話すと、Johnは「心配するな。釣らせてあげるよ」と言ってくれた。こういう時、ガイドって本当に頼もしい。

先ずWood Road 16を経てPinehavenに10時頃到着。「これがヘンリーズフォークの流れか!」と結構感動した。しかし、寒々とした風景の中、クリフの先で30分以上待ったけどno hatch, no rise。John曰く「バグが全く見あたらない。おそらくまだ水温が低すぎるのだろう」 11時近くになっても流下がまったく始まらないので別の場所に移動することになる。Osborne橋の下に11時半頃到着。少し歩くとJohnがライズを発見。流下物をチェックするが、1ミリ位の白いミッジが流下しているのみ。
    John「これは50番台だね」
    僕「そんなフライあるの?」
    John「ない」
この頃から天気は次第に悪化、吹雪となる。2、3あるライズのうち一つが比較的安定している。Johnが「あれを狙おう。上流のは小さい」といって、慎重にライズに近づいていく。「これくらいかな」と思って止まるとJohnは「もう少し近づこう。この距離では完璧なnatural driftは難しい」。「こんなに近づいていいのかな?」と思いながらも百戦錬磨のガイドを信じてさらに一歩近づく。John「もう一歩だけ」。かなり近くにきた。ライズはすぐ目の前だ。背びれを見せながらクルーズしている。「これがHenry’s Forkのトラウトか!」 流下物をもう一度チェックするとごくごくまれにトライコが混じっているのでTricos Dun #22をセット。John「キャストしてごらん」 最初のキャストはいつも緊張するものだ。まして毎週末釣りをしていないこの時期、あのHenry’s Forkで、デカマスを目の前にしての第一投。ライズはすぐ近くなのに下手なキャストをしてしまった。それを数回繰返すとデカマスはライズをやめてしまった。ダサい。もう一度ライズするのを吹雪の中で待つが、ライズは再開しない。吹雪はさらにひどくなり、肩に雪が積もる。ほとんど戦意喪失。「自分は今、あのHenry’s Forkにいるんだ」と自分に言い聞かせないとすぐにでもモーテルに戻りたい位だった。結局得たのは雨具に積もった雪のみ。Johnが「昼食はTHに戻ってとろう」と言った時は「なんていいアイデアなんだ!」と心底思った。

昼食中、THに立ち寄ったRene HarropをJohnに紹介してもらう。Johnが午前中の結果をReneに話すと、ReneからLast Chance(以下LC)でBaetisがハッチしてるという情報をもらう。昼食後Osborne橋をチェックしてみるがやはり流下がないので、すぐにLCに移動。

午後2時頃LCに到着する。ライズは見つからないが、僅かながらBaetisのDunが流下している。 THから約200ヤード下流に岩4個、流木数本からなる流込みがあり、そこで7、8のライズを発見。下流をチェックしていたJohnが帰ってきた。僕「ここで釣るの?」 John「いや、このポイントは年中狙われていてプレッシャーが高いし、Danの場所だ。下流にいいライズを発見した。行こう!」
Johnが案内してくれたポイントは、上述の流込みから更に200ヤードくらい下流で、岸際に大石が一つある。トラウトはその石の裏側についていて、石の両脇から流れてくる流下物を捕食している様子。でかい!しかも2匹いる。Johnの指示に従って川下から慎重にアプローチ。John「先ず手前のを狙おう」 JohnがBWO Danパターンを手渡す。風は追い風。着水時点でティペットは伸びきる。John「着水直前にちょっとラインを止めて、スラッグをつくって」 僕「タック・キャスト?」 John「その通り。」 

何十回、いや、百回以上キャストするが、相手にされない。Baetisのハッチは次第に激しくなり、ついにBaetisとBaetisの間隔が1インチを切る。まめにフライを確認しないとフックにnaturalが引っかかっている。これで釣れたらエサ釣りだ。Johnが川岸に溜まったBaetisの塊(厚さ2インチ)を鷲づかみしながら言う。「見ろよ、すごいハッチだ」。

これに伴いライズも激しくなり、トラウトは頭を出しっぱなしで3、4匹食べてはもぐる、という貪欲さ。やはりダウンクロスは無理。あんまりアップで釣れないので一回試してみたが、やはり上流に行くと、どんなに遠回りして慎重にアプローチしても、ライズはピタッと止まる。あるいはライズしていてもナーバスになりフライには見向きもしない。また一匹のトラウトを狙ってる時にラインがもう一匹のトラウトの目に入ると、“ボカッ”という音を出してスプークする。「そんな音まで出してスプークするなよ。君を狙ってる訳じゃないんだから。。。。」 しかし、厚いハッチに助けられ、しばらく待つとまたライズし始める。

Baetisパターンはだめ。なんたってnaturalsとの競争に勝てない。Red Antにフライを交換。フライは見えたり見えなかったり。Johnが突然「Set up!」と叫ぶ。何がなんだか分からず合わせてみるが空振り。Johnによると、フライに向かってバンク際から別の鱒が突然現れてフライをくわえたそうだ。残念だけどフライを見失っていたんだから仕方がない。且つ、見えていなかったから、精神的ダメージも小さい。

5時を過ぎた頃だろうか、一瞬青空が広がり、それと同時にBaetisの流下が減ったので、再びBaetisパターンに交換。Johnが帰ってきて「何使ってる?」と聞くので、「Baetisパターン。流下が落ちてきたから」というと、John「自分だったらそうする」と言ってくれた。しかし釣れない。やがて午後6時を過ぎる。これでもう1匹の魚相手に4時間無視されてることになる。Johnに「もう一度antパターンで試してみたい、しかも今まで使ってたのとは少し違うパターンで」と言うと、彼は「いい考えだ。実際、これまで魚が一番反応したのはアントだからね」と言ってRed Antの1サイズ下を手渡してくれた。これを結んでキャストすると、くわえた! ロッドを上げる。ズシンとした重みが伝わる。やった!と思った瞬間ロッドが軽くなる。魚は一気に対岸(つまり100ヤード先)まで走り抜け、それからジグザグに川を一往復した。まるでロケットだ。システムをチェックしてみると、ラインブレイクではなかった。フライの先に1ミリ四方の魚の皮が残っていた。

呆然としている僕をJohnは抱きかかえながら「フックアップ成功おめでとう!」と言って慰めてくれた。まあ、確かにフックアップもしないより良いけどね。何がいいって、帰るきっかけができたよ。日没まで粘るのはいつものことだけど、なんたって今日は「4時頃まで釣ろう」と言っていたガイドと一緒だからね。Johnは”No problem. We need to fish him”って言ってはくれていたけど。。。。


帰りがけにハロップ夫妻に会う。Johnがレネに「1匹の魚に4時間使った。22インチくらいだったと思う」と話していた。「そっか、あいつ22インチなんだ」と思った。

第1日目 第2日目 第3日目