Ramapo RiverといえばNYとNJの両州にまたがる川である。日本企業SharpのUS本社が位置するRamsyのそばを流れRamapoNJ州立大学のキャンパスを通り南下する。上流はNYスルーウェイ87とRT17が交わるTuxedo辺りから北に伸びる。友人の義弟がそのTuxedo付近のRamapo Riverで16”のブラウンを釣り上げたと聞いて驚いた。Ramapoは去年よく通った所だ。この川には毎年春になるとかなりのマスが放流されるがNJ側よりもNY側の方が2〜3週間早い。NY側は3月の下旬、NJ側は4月の中旬だ。放流時期の2週間前だけは禁猟となる。いつものスポットは秋になると、ライズはあってもほとんどが「チャボ」だった。

16 “の話を聞いて「それでは・・・」と10月のある日曜日、早速新たなスポットを探しに出向いた。RamseyでスルーウェイからRT17に乗り換え北上する。10分ほど3・4個の信号を通り抜けながら車を走らせると「Tuxedo」のサインが目に入る。するとまもなく東側に駅が見えてくる。川はこの線路に沿って流れている。いや、逆だ。線路が川に沿って走っているのだ。線路を横切り駅の駐車上を抜けると、そこにはなんと「DEC」の看板が目に付いた。「DEC」というのは「Department of Environmental Conservation」の略である。ということはこのスポットは正式に公に釣りをしてもいいということなのだ。しかも、ある程度マスがいるという保証でもある。幅10mほどの川の向こうには木々で隠れた民家並んでいる。橋の上からライズの観察をすると確かにポツ、ポツとではあるがディンプルが見える。早速支度して水の中に入る。静かに、静かに。緩やかな流れなので歩くたびに波紋が広がる。静かに、静かに。タックルは6‘のバンブー。もう一度ディンプルが上がるのを確かめて、18番のサルファー系イマ−ジャーを1m前に落とす。初投で出てきたのは10”のブラウン。これは幸先いいぞ。そのあと2尾を追加して午前中、2時間の釣りを終えた。

その夜早速トロバさんに報告。こんな近い所にこんないいスポットがあるなんて。何でもっと早く気が付かなかったのだろう。それからというものは、毎週、週末は2〜3時間の散歩と言う感じで通ってみた。通いだしたころはまあ、まあ釣れたものの、通うにつれて「チャボ」が多くなった。そのうちにライズも見えなくなった。これではだめだと思い、ちょっと上流の方を探検してみようと川を上ってみた。10分ほど流れに逆らって上がっていくと民家は消え、木が茂り、岩も出てきてなんとなく日本の渓流を思わせる渓相になってきた。それでも流れの東側にはスルーウェイ、西にはRT17が走っている様子で車の騒音が聞こえてくる。

川幅が半分になり、両側の岩の間からの流れ込みのすぐ上に、深そうなプールが見えた。釣り上がりの感じで、17番の「レネゲイト」を流芯に流した。2〜3投目だったろうか、フライが流れているであろう辺りに小さい水しぶきがあがった。予期しないヒット。ヒットではないかもしれない。瞬間的には判断できず、ただ、本能的に竿を上げた。重さを感じる。ズン、ズンと水底に引っ張られる。これはもうマスだ。ラインを手繰って、2mほどまで寄せると急に水面をはねた。魚体が「ギラッ」と光った。「おっ、これはレインボーだ。」ネットは携帯していない。フックが外れないように注意しながらそばに寄せると、きれいな銀色の体に赤い帯がえらから腹へ伸び尾のほうに行くにつれて細くなっている。出来るだけ魚体を傷めないように水のなかにいれた状態で体長を測るとこれが13.5“。心は躍る。「いや〜、こんなところに、こんなきれいなレインボーが。」思わず独り言が飛び出す。リリースすると上流に向かって元気よく泳ぎだした。一息つくと、また欲がでてくる。同じスポットにもっといるかもしれない。1尾だけじゃないだろう、とキャストを繰り返す。流芯で流れが込み入っているのでそのうちにフライが水にもまれ潜ってしまった。引き上げようと竿をあおると、これがまた重たい。岩に根がかりかな、とテンションを掛けると、ググッと引き込まれた。フィッシュ・オンだ。これもまたレインボー。先のよりもっとでかい、もっときれいな14“オーバー。Ramapoでこんないい目が出来るなんて。「吉原通い」じゃないけれど、「Ramapo通い」になりそうだ。