2002年1月13日(Saucon River,PA)

去年の12月30日よりは暖かい日だった。冷たい風を避けるための耳を覆う帽子も必要なかったし、服も薄めに来こんでよさそうな天気だった。天気予報も昼からは風も止み暖かくなるとの予想。とりあえず現場までYさんと行くことにした。ペンシルバニアのSaucon RiverはいわゆるSpring Creekで真冬でも一定した水温が保たれている。今年のライセンスを求むべくRT78でPAに入ってすぐの出口近くにあるガス・スタンドで訪ねると数ブロック先のハードウエア・ショップで売っているらしい。

そのショップはすぐに見つかったが、ライセンスはもう販売していないとのこと。ただ、きた道をもとに戻って住宅街を入り込んだところに釣り道具屋があり、そこなら確かに売っていると教えてくれた。そのショップはメイン・ストリートからちょっと入り込んだところにあった。一見普通の住宅だが、建物の裏の方にドアがあり、中に入ると6畳くらいのスペースに所狭しと釣具が並べてあった。レジの横には50ガロンくらいの水槽がありなかには小さな生まれたばかりのマスが何百匹と泳いでいた。後から聞いた話によるとこれはベイトらしい。「エーッ、かわいそう。」70歳くらいの老夫婦が出てきてライセンスを発券してくれた。州外からなので多少高くつくが、トラウトのスタンプも張ってもらいさぁ準備は整った。

Saucon Riverのいつもの鉄橋のそばの狭い空き地につくと車が2台止まっている。ひょっとしたらもう誰か釣っているのか。ちょっとだけ胸騒ぎがする。とりあえず車からいそいそと出て橋の真中二人してたたずみ川面見下ろした。空は天気予報とはちがって厚い雲がちぎれながら風に飛んでいる。時々日の光がちぎれた雲間から差し込んでくる。そんな時は、なにか「ほっと。」する感じ。そのうちに、どんよりとしたプールに小さなライズが見えた。「おっ、ライズ!!」、こんどは左の深みから一つ。「よし、支度しよう。」車に帰ってトランクをあけ「ひょっとしたら。」と思ってもってきた厚めのセーターなどを着込みウェイダーを身に付ける。「おーっと、雪だ。」肌寒い風にふかれてちらちらと雪が舞い降りてきた。同時に、枯れ木とくもの間から太陽の光が一筋。「うーん、でも前回よりは楽だよネ。」自分をなぐさめながら、準備をし終わったころ一人の若者が、ウェイダーに身を包みフライ。ロッドを抱えながらこちらに向かって歩いてきた。どうもいい収穫は無かったようだ。Yさんが「どうだった?」と訪ねると、若者は「うーん、ミッジとか、ニンフとかいろいろ試したけどだめだった。今日は天気もあまりよくないし。又くるよ」といって空き地に止めてあった車に乗ってさっさと帰っていった。

Yさんに「それ、それ、その深みに上がってきているやつを釣ってください.」なんていわれて、まずはブルーウィングの20番くらいを結ぶ。風と戦いながらアップクロスでキャストするが、向こう岸の深みのあるところには枯れた木の枝が水面を覆い尽くし、ライズしているところまでうまく届かない。リングのてまえで力尽きで水面にあえなく落ちてしまう。「それじゃぁ」と、今度は川上にポジションを変えてみるか。ライズしているところまで20フィートほどの距離をキープしながらゆっくり,ゆっくりと川上へ。こういうときの心理状態はすごくもどかしい。心と足の動きがマッチせずに時々転ぶ時がある。去年はウェイダーの胸から水をざっくりと入れてしまった。今日は水も冷たいし、用心しなきゃ。今度は枯れ木の手前にフライを落とすことによって、川の流れ出うまくライズの点まで流れていく。が、何も起こらない。きっと、移動する時の水のざわめきに警戒しているのか。30分ほどキャストを繰り返すが無駄だった。と、Y氏が下流の方から「こっち,こっち」と手招きする。きっと釣り上げたのだろう。聞いてみると、やはり1尾小さいのをあげたらしい。例の深みのところだ。かなりライズがあるらしい。場所を譲ってもらう。でもやっぱり、駄目。フライを換えてみよう。特性のイマ−ジャーだ。雑誌を参考に昨日作ったやつ。3投目くらいに、バシャッと音がする。竿を上げずにそのまま流す。フックできずにいる。しかし、初めて作ったイマ−ジャーに食いついてきたことは少々満足だった。

そして、この日は坊主だった。